職場に後輩が入ってきたとき、新人教育を誰が担当するのかは難しい問題です。大手企業など一部の企業では、教育専門の機関を設けており、長ければ半年程度をかけて一人前の社会人に育てるプログラムを用意しています。
しかし、大多数の企業ではそこまでの投資をする余裕がないか、そもそも仕事は現場で覚えるものとの認識のもと、最低限のオリエンテーションで終了することが珍しくありません。そんな中で、いきなり後輩の教育と言われても何を教えればよいのかピンとこない人もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、教育の現場で教えるべき重要事項を挙げてみました。
まず最初に教えるのが、社会人としての常識ある言動と態度です。転職組であれば、基本的な常識はほとんど知っているため不要かも知れませんが、新卒採用だと見逃すことができません。ここには、自社の人間としての態度も含まれます。いわゆるビジネスマナーの領域です。
そして次は仕事の内容です。業務の流れや目的、処理方法などを教えます。この部分では、言っただけで覚えられることと、慣れて覚えることがあります。先輩側の目線でその自覚を持たず、うまくできないことを感情的にぶつけていては、新人の人を傷つけて退職に追い込んでしまう可能性があります。それだけでなく、我慢して耐え抜いたとしても、その後は嫌いな先輩として距離を置かれてしまうでしょう。
自分の業務を抱えた上で新人の面倒をみるのは簡単なことではありません。場合によっては、自分の食い扶持を渡すことにもなりかねないのです。この辺りの問題は、マネジメントする側がフォローしなければならないでしょう。可能であれば、企業全体で研修体系を整備して、教える側にもメリットのある評価システムを導入することが望ましいといえます。